グラッシ『個人的生活の擁護
―― 哲学的伝統としての人文主義研究』(未邦訳)
E.
Grassi, Verteidigung des individuellen
Lebens. Studia humanitatis als philosophische Uberlieferung,
Verlag A. Francke AG. Bern 1946.
序
問題
伝記という芸術
俗語に対するダンテの擁護
「人文主義研究」Studia humanitatis
ジョルダーノ・ブルーノの「英雄」概念
個人的生活における客観的なるものの経験
第一章 詩的なるものの経験
一 詩的作品の解釈をめぐって
・詩は個人的創作であるか
・詩の解釈
・古代における詩の解釈 ―― ホメロス研究
・古代における詩の解釈 ――
「崇高について」
二 プラトンの対話篇『イオン』についての解釈
・「酔狂なるもの」の「知」の源泉
・「知」について
・『イオン』の根本問題
・詩の本質について ――
詩は世界を「変える」
・詩の本質について ――
詩は普遍的なものの知識ではない。それは「個的なるもの」を示し、
「それぞれの対象のもとへと導く」
・詩的「実践」 ――
「崇高なるもの」と「熱狂」の意義
・詩人の個人的生活 ―― 無意識なること
・客観的なるものの告知 ―― 詩的規則
第二章 政治的なるものの非合理性
一 精神的生活への反抗
・精神的生活の非現実性
・政治的なるものの力
二 政治的なるものの問題
・政治的なるものと語りの技術
・根源的意味の現実化としての政治
・人間的世界
・政治的なるものの非現実性
三 支配すること
・人間的作品の現実化としての政治
・予見としての支配
四 政治に固有の領域としての特殊的なるもの
・政治的能力の問題 ―― 瞬間
・個別の偶然と瞬間 ―― ダンテの普遍主義
・ルネサンスの理論における政治的なるものの本質
――
グイッチャルディーニにおける「判別」の理論
・ルネサンスの理論における政治的なるものの本質
――
マキャヴェッリにおける「徳」と「運命」の概念
五 歴史における神的なるものの経験
―― ヴィーコ
・行為の自律性
・摂理と神的なるもの
・人間性の根源的意義と野蛮の回帰
第三章 教養の理念
一 知の経験と近代思想の起源の問題
・自己形成と知識の段階
・客観的超越をめぐる知
・方法的懐疑と知の実存的基盤 ――
思惟する思惟
・近代思想の起源の問題
二 人文主義研究 Studia humanitatis
・「正統にして純粋なる教養」の概念 ――
「文学的熟練」Peritia litterarum
・「事物の知識」Scientia rerumと、人文主義的教養としての「人間の知識」Studia
humanitatisの理念
三 ヴィーコにおける知の優位に対する批判
―― 修辞学的教養の理念
・真なるものの優位という問題 ――
真なるものと、ヴィーコにおける「真らしいもの」
・知識からの行為の導出不可能性 ――
自然学の問題
・客観性の問題 ―― 哲学としての文献学
・誠実なる「教養」の理念 ――
超越と個人的生活